武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会

「武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会」結成準備会が4月19日(土)14時30分より立川女性センターアイム第2学習室で開催されました。



「武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会」準備会結成集会に参加して

昨日(4月19日)、立川市女性総合センター・アイムで「武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会」準備会結成集会が開かれました。
20歳で採用されてから集配業務に従事してきた飯島淳さんが、2023年10月、武蔵野郵便局に異動になってから過労が重なり、24年7月20日に48歳で亡くなりました。死因は虚血性心疾患です。どんどん痩せていき、愛犬も両親に預けたようです。亡くなる4日前には同僚が「顔が真っ白」と言い、死亡時、「胃には固形物がまったくなかった」と検視医は述べています。

8月30日にご両親は全国一般三多摩労組を訪ね、9月19日に、「郵便局過労死家族とその仲間たち」(郵便局員過労死家族会)結成集会に参加。28日には母・登茂子さんが三多摩労組に加入します。

組合は団交とともに関連書類の開示を求めますが会社がろくに応じないため、弁護団が証拠保全を申し立て、3月21日、東京地裁立川支部が証拠保全を実施しました。提訴も視野に、入手資料の分析を進めています。

父・飯島栄博さんは「苦しさを訴える淳にどうして寄り添えなかったのか、自責の言葉が渦を巻いている。過労死を許さないたたかいに勝ち抜いて淳の死に報いたい」。登茂子さんは「仕事を辞めさせればよかった。亡くなる瞬間はどんな気持ちだったろう。そう考え、自分が壊れていきそう」と胸の内を吐露し「息子の命を奪った人たちは本当のことを言って、(今後)苦しむ人が出ないようにしてほしい」と声を振り絞りました。

淳さんの過労の背景には、武蔵野郵便局への異動に加え、ヤマト運輸から日本郵便へのDM便業務の移管があるとみられています。ヤマト運輸で約2万5000人の配達員(クロネコメイト)が配達していた大量のDM便等を、業務だけ引き継ぎ配達員は引き継がなかった日本郵便は、どのようにさばけると考えていたのでしょうか。

さいたま新都心郵便局での過労で夫を亡くし過労死裁判・労災認定に勝利した小林明美さんも駆けつけ、「私はたくさんの支援で奇跡的な結果となり、『過労死のない職場にする』と会社が謝ったが、その後も淳さんのように亡くなる人が出ている」。過労死防止法制定に奔走した過労死家族・中原のり子さんは自身の経験を振り返りつつ「解決には社会的な力がいる」と話しました。

基調報告をしたのは、郵便局員過労死家族会事務局長の倉林浩さん。倉林さんらOBも含め、郵政ユニオンから多くの参加があり、郵政問題にも取り組む東京中部ユニオンの方々も来ました。重要なのは同時に、JP労組と退職者会の方々が多く参加したことです。栄博さんもJP労組組合員で退職者会の元役員。黙っていられないという気持ちが、違いを超えて集まったのでしょう。登茂子さんの元同僚の姿もありました。

米農家の低過ぎる収入が米を食べる消費者の問題でもあるように、郵便局の過労死は、郵政職場で働く者の課題であるだけでなく郵便サービスを使う私たち市民の課題でもあります。中心で努力されている三多摩労組、郵政ユニオン、過労死家族、弁護団のみなさまに心から敬意を表すとともに、淳さんとご両親のお人柄、三多摩地域の労働・市民運動の連携の鏡のような「心を寄せる人たちの広がり」はきっと解決につながると思えました。

経過略歴

1975年12月11日誕生
1996年 4月 1日武蔵府中郵便局採用
第2集配課配属 20歳
2023年10月 1日武蔵野郵便局第2集配部に異動後、過労が重なる
47歳 39区担当
2024年 7月20日享年48歳、虚血性心疾患で亡くなる
胃には固形物がまったくなかった
4日前、顔が真っ白だったと同僚証言
同年  8月30日ご両親、全国一般三多摩労組を訪問
同年  9月19日ご両親、「郵便局過労死家族とその仲間たち」(郵便局員過労死家族会)結成集会に参加
同年 同月 28日母・登茂子さん三多摩労組に加入
2025年3月21日東京地裁立川支部、証拠保全
同年 4月19日「武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会」準備会結成集会

武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会” に対して4件のコメントがあります。

  1. 寺島 千恵 より:

    私は武蔵野郵便局を時々利用していたので、28日の
    東京新聞を見て驚くと共に、あってはならない事と
    強く思いました。
    大変になってほどなくして、退職してしまわれたら
    良かったのに、と思いました。
    真面目な人だから、そんなことも考えつかなかったのかもしれません。
    しかし、真面目な人程損をしたり苦しんだり、ましてや命を落とすことがあってはならないのです。

    ヤマトのメール便の事含め、体制自体に無理がある
    のに、経営陣は結果も想像出来ず、まともな舵取り
    をする能力もなかったのにでしょう。
    民営化自体が元々、無理のある業種だったのでは
    ないかとさえ思います。
    仕事を続ける人がいなくなる危機にならないと、本気で取り組まないでは遅すぎます。

    社会全体で感心を持ち、政治家達も真剣に考えて
    欲しいです。
    私も、関心を持ち続けたいと思います。

  2. 光達武 より:

    まだ若いのにご冥福をお祈り致します。

  3. 礼子 より:

    私の息子は河内郵便局の配達業務をしていました。
    パワハラや苛めがあり、殺すぞなどいわれ、残業もおまえ1人でやれと、手伝ってもらえずある日、配達中高層マンションからふらっと飛び降りそうになり、私に連絡してくれ、すぐに精神科行きました。適応障害と診断されました。
    医師は貴方は悪くないといってくれましたが4年ほど経った今でも働けず治療を続けています。
    息子は言わないでくれといっていましたが、やめてからこう言うことがあったと上司の方に伝えました。
    これから無いようにしますと仰られていましたが、変わらないんですね。
    息子は自殺しなかったけどもしもと思うとぞっとします。亡くなられた方の親御さん達どんなにお辛いでしょうか。応援します。

  4. sanyuan より:

    武蔵野市近隣に住んでいます。すごく身近な地域でこのような恐ろしい労働環境があったということに衝撃を受けました。
    公共サービス受益者として、郵便局員に連帯したいです。

    「労働者の負担を減らすためにサービスを使わない」という選択が現実的ではない中で、どのように郵便局員やおそらく同様の課題を抱えている流通業労働者と連帯が可能なのでしょうか?

    労働組合等で団結し、要求する方々が存在することによって、問題を認識するための材料はすでに社会に提供されていると思います。
    しかし、組織化されていない消費者の立場からでは十分な協力が難しいようにも感じます。
    サービス受益者や、地域市民の立場からも協力可能なキャンペーンなどがあればいいのでないかとも思います。

    過労死で支えられるインフラ、ライフラインは嫌です。

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