郵便局過労死家族とその仲間たち第2回総会成功

 2024年9月に発足を発表しホームページもスタートしました。直後から電話やメールでの相談が相次ぎ、それはあらかじめの想定をはるかに超えるすさまじい内容でした。第2回総会の第一の目的は当事者と当事者、当事者と会員が交流を深めることにありました。

被害者を思い黙祷

 この間、直接関わってきた事件の被害者、さいたま新都心局事件小林孝司さん、札幌豊平郵便局事件Mさん、A局事件Oさん、武蔵野局事件飯島淳さん、そして長らく会の会計責任者であり今年5月急逝された青天目勝幸さんを悼み、黙祷を行いました。

 次に協力弁護士である尾林芳匡弁護士、青龍美和子弁護士、白神優理子弁護士、三宅克朋弁護士が登壇し挨拶をいただきました。

宮崎拓郎記者(「ブラック郵便局」著者)

 西日本新聞宮崎記者の講演を受けました。郵便局はパワハラ上司が出世し、パワハラをぬぐうことができない悪循環にあること、見て見ぬふりの風土ができている、「内部通報」はうまくいくこともあるが、副作用から当事者を守りきれず、十分な機能を果たせるところまで来ていないこと、そして報道関係者として引き続き問題を追及していく決意と発信者の秘密は絶対に守る覚悟を話されました。

共同代表に飯島夫妻

 時間の制限があり会の経過報告と会計報告は配布のみで了承し、共同代表の追加選出を行いました。武蔵野局事件淳さんのご両親が選出され、決意の表明をいただきました。協議として、会報発行について郵便料金値上げにより財政を圧迫していることから、メールでの発信とホームページへの掲載に変えていくことを確認しました。

ZOOMとリアルで交流

 いよいよ当事者の皆さんの報告です。激しいノルマの強制によって脳出血、左半身不随となった上に過去の「不適正営業」をデッチあげられ懲戒解雇となった下関局高部啓さんと元おつれあいがZOOMで参加されました。高部さんは自力で適切な弁護士を見つけ出し提訴、口頭弁論後に実名で記者会見したものです。被害は啓さん一人ではなく、おつれあいと三人のお子さんに及びました。深刻な事態に夫婦のいさかいがうまれ、離婚、しかし子育てもあることから、近くに住まいは移した、闘いを応援すると元おつれあいは話されました。

 続いてもZOOMでOさん。夫が窓口で就業中に不整脈から心肺停止、適切な対応がなく2年後に死亡。弁護団と郵政メンバーの支援で闘いの準備を始めています。

 石川県小松郵便局事件のご本人はZOOMで参加され、報告は現地で支援組織結成の準備を重ねておられる續さん(元郵政ユニオン中執)が12月15日に決まった公開口頭弁論への応援を訴えました。

 続いてリアル参加者です。武蔵野局事件の飯島さん夫妻は昨年11月から月命日に局前宣伝を重ね、社員や利用者から支援が生まれていること、9月12日に「武蔵野郵便局過労死事件の責任を求める会」結成と局に向けてのアピールウォーキングを100名で成功させたことを報告しました。

 Gさん、悪天候の単独バイク横転で鎖骨と腓骨骨折、治療とリハビリで復帰したところ自転車配達。主治医が「バイク配達可」としても10か月に及びました。たまらず内部通報窓口へ、逆恨みした役職者による暴行・暴言。退職を余儀なくされ、年休消化中に同僚・部長から出勤圧力、メンタル疾患となり精神科を受診。現在弁護団が結成され闘いの準備に入っています。

 自死事件遺族お二人については日本郵便に察知させないために伏せます。

 釧路赤十字パワハラ自死事件の村山百合子さん、栃木カスハラ労災事件の藤田深雪さんがZOOMで報告されました。最後に10月17日・18日のNHK「懲罰自転車」報道で声を上げた当事者が登壇し、まだ日本郵便は改めていない、闘い続けると決意を表明しました。

精神的負荷を著しく直撃する事故事例研究会を廃絶し、効果的な交通労働 
災害対策を練り上げよう!            

 事例研が背景、パワハラ恫喝により自死に追い込んだ

 2019年3月大阪西局、2023年5月川崎宮前局、両局とも軽微な交通事故が発生した。これに対し、大勢の管理者による執拗な恫喝に加えて、事例研で対応するよう事故当該社員にたたみかけた。メンタル不調を惹き起こし、ダメージを受けているにもかかわらず、管理者の悪辣さは容赦なかった。両局2名の社員はかけがえのない生命を奪われた。

 事例研の実態は、各地の郵便局からの聞き取りを通じて浮きぼりとなっている。局をやめろとの露骨な恫喝や出席を拒んでその日退職した若い社員の事例など。管理者だけでなく、そうでないものも責める側に回る。まさしく集団によるパワハラである。事例研は、心の病気を抱えた多くの仲間を限りなく追い詰めてきた。

   事例研=安上り厳罰施策、郵便局だけ強行している

 本社コンプライアンス部門安全推進部は、「労働安全衛生ハンドブック」をもとに、各局に安全衛生管理体制を指示している。その主要施策の中で、事例研を再発防止策の検討・決定(15分)と位置付けている。前段に、事故発生状況の検証(15分)、事故原因の分析(15分)、トータル45分の時間配分で、当該社員を詰めて締め上げる。見せしめが事故対策に効果があるというのか。労働科学研究所に問い合わせると、郵便局のようなやりかたを他では聞かないと指摘された。

   厳罰主義発想を根絶させよう

 交通事故に関して日本郵便は、今日まで一貫して効果的対策から遊離したあらんかぎりの厳罰施策を強いてきた。今月14日、多数の県で陰湿な見せしめとしてきた懲罰自転車(徒歩も)を禁止する、と全国に通達した。都内の勇気ある若い仲間の告発によって。また、郵便局過労死家族会としても某県で懲戒自転車を追及した仲間への暴行事件に対し、闘いを進めている。一方、点呼不正問題の解決を歪めて現場社員に重い処分の乱発をし始めている。看過できない。

 労働科学研は、「望ましい交通行動の形成・維持・変容」という論文の中で厳罰施策を戒めている。罰はネガティブな感情を抱かせる、罰を避けるための行動が増加する、正しい行動についての情報が含まれていない、従ってむしろ更なる事故につながる、と。

 労働者健康安全機構は、事故災害当該者を囲む周りの人へのケアを呼びかけている。「事故災害被害者ひとりひとりのニーズとペースに合わせて気持ちをつかむ。根ほり葉ほり質問攻めにしてはいけない。…ケアする人達との関わりをもちながら、情報共有して支え合うことを大切にする。仲間とのコミュニケーションをとり、労をねぎらう」

  真の効果的な交通労働災害対策が求められている!

重ねて労働科学研は、事例研という大勢の前で災害当該者に話させても真実はわからない、弁明などつじつまが合わなくなる、なぜなら本人は事故原因がわからないから、と強調する。

 「ヒューマンエラーは原因ではなく結果である」とうい知見は、安全問題の専門家や法学者では定説となっている。   

 航空各会社は2000年代初めに、ヒューマンエラー非懲戒の宣言を出した。この理念は、各業界に広がっている。つまり、事故内容を丁寧に調査させて実効ある対策を優先しつつ、人事処罰等の不利益扱いを行わない、という方針である。

 バイク運転安全教育を豊富化し、事故減少という成果をあげている職場がある。運転者全体の技術訓練と並行して、AIドライブレコーダーによる系統的で緻密な教育と対策を継続している。今こそ日本郵便を切り替えさせ、事例研を一刻も早く廃絶しさせなければならない。過労死根絶の闘いを前進させるとともに。

  <郵便局過労死家族会第2回総会>

共同代表 小林明美氏、厚生労働大臣へ要請

厚生労働大臣 殿

                        2025年11月5日

1.申請者   小林 明美   

2、被災者   小林 孝司(夫 51歳)

3、勤務先   日本郵便株式会社 集配営業課

4、被災年月日 病名 2010年12月8日 うつ病により自死

5、現時点での状況  

2020年3月31日 労災認定

6、要請内容

 私は現在、郵便局過労死家族会の共同代表をしています。

私の案件は解決していますが、いまだに郵政の職場の中でパワハラやモラハラが多発しています。全国で仕事が原因の自死や精神疾患で療養中の方が多数います。そして係争中の案件も多く見られます。

私が労災認定された後、日本郵便の幹部が謝罪に来て下さりパワハラのない職場環境になるようしていくと話してくれました。私はその言葉を信じていましたが、現状は変わっていないようで、とても残念に思います。

かんぽ生命の不適切営業では会社の指示命令に従って行った事であるのに不当解雇された方も多くいます。裁判で闘っていますが、日本郵便には自分たちがやったことの重大性をもっと理解できるようしっかりと指導してください。最近また大きな問題になっている配送車の点呼不備の件も、安全より収益のことばかり考えている日本郵便の本質です。年賀状の自爆営業で夫も苦しめられましたが、職員の健康と安全を守ろうとしない会社に憤りを感じます。

先ほどの点呼不備は国土交通省の行政処分を受けています。しかし、日本郵便は多くの係争中の原告に対して真摯に対応していません。これでは同じ事を繰り返すでしょう。そうならない為にもどうか、日本郵便に対して厳しい指導をお願いします。

郵便局過労死家族とその仲間たち第2回総会成功” に対して1件のコメントがあります。

  1. 馬淵郁子 より:

    小林明美さんの労災認定で郵便局の職場の内部 体質が明らかにされました。現在 パワハラ、かすはらによる働くものの自死が、後を絶ちません。精神疾患認定基準が、ハラスメントに、対応していません。認定基準の改定があっても、これらの不幸を救済できていません。認定基準改定を求めます。

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